【自己紹介】 かくいう貴様は誰なのだ、という至極もっともな問いに答える
インターネットの辺境、掃き溜めのような情報の海を漂流し、何の因果か本稿にたどり着いてしまった好事家の諸氏にご挨拶申し上げる。当方、かれこれ10年近く、かの「外資系企業」なる場所に籍を置く、しがない一介の給与所得者である。
「外資系」。
その蠱惑的な響きから、諸氏は私がネイティブと丁々発止のやりとりを繰り広げ、週末にはシャンパン片手にクルーザーでパーティーに興じる、そんな絵に描いたようなグローバルエリートを想像されたかもしれない。
もしそうであれば、その貧困な想像力を心からお祝い申し上げたい。ブラウザの「戻る」ボタンに指をかける前に、もう少しだけお付き合い願おう。
実態は、この10年間、英語という名の黒船の襲来を全力で無視し、日本語という名の防波堤の内側で安穏と過ごすという、
高度なサバイバル術を駆使してきたただの中年である。
そう、これはある種の才能と言っても過言ではあるまい。
【英語学習のキッカケ】年貢の納め時、あるいは瞼をこじ開けられるということ
しかしながら、平穏な日々というものは、えてして唐突に終わりを告げる。
人事という名の不可抗力によって、チームの構成員のほとんどが日本語を解さぬ人々で占められる魔境へと、ある日突然、強制移住させられることと相成った。
これまで見て見ぬふりをしてきた、いや、むしろ積極的に目を逸らし続けてきた
「英語ができない」
という厳然たる事実が、もはや個人の怠慢というレベルを越え、業務遂行能力の欠如、すなわち社会人としての死を意味する段階へと突入したのである。
あなたも身に覚えがあるだろう。
新年の誓い、本屋で平積みされる「やり直し英語」の類書、そして数週間後には埃をかぶるそれらの残骸。私もまた、その屍の山を幾度となく築き上げてきた、紛れもない同類の一人だ。
だがしかし、今回は事情が違う。固く閉ざしていた瞼を、物理的にこじ開けられ、現実を直視せざるを得なくなった。
これはもはや自己啓発などという生易しいものではなく、生存闘争に他ならない。
【当ブログの目的】 英語学習に挫折したあなたへ捧ぐ「見世物小屋」
故に、このブログは
「TOEICで900点を取る方法」だの、「ネイティブが使うイケてるフレーズ50選」だのといった、
意識の高い情報商材まがいの言説を読者に提供するものではない。断じてない。そもそも、そんな芸当ができるはずもないのだ。
ここは、英語の荒波に放り出され、犬かきとも言えぬ無様な格好で溺れかける中年の生態を、生暖かく観察するための見世物小屋である。
あなたが「ああ、また三日坊主だった」と自己嫌悪に陥った夜にここを訪れ、「下には下がいるものだ」と安堵し、明日へのほんの僅かな活力(あるいは他人の不幸を蜜とする類の愉悦)を得るための一種の清涼剤、それが本ブログの目指す地平だ。
いつまで続くのか、そもそも本当に更新されるのか。そんなことは筆者自身にも皆目見当がつかない。
さて、この壮大なる無駄遣いにも似た試み、果たして我々の英語コンプレックスという名の呪いを解く一助となりうるのだろうか。
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